名探偵本夢写楽

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須藤タイムテーブル

13:30 別荘に到着、愛理へ挨拶に行く。早速新しい情報を求められたが、後で教えると言って上手くごまかした。本夢写楽という人物と話があるようだが、もう一人別に立会人を招待しているというので、二階へと誘導された。二階には、須藤様、八戸様、本夢様と張り紙がしてある部屋があった。八戸様と張り紙がある部屋で、八戸奏という女性を紹介された。私が警官だと名乗ると、動きが止まっていた。大方彼女も愛理に脅迫されて何かしらの悪事に手を染めているのだろう。 早々に八戸の部屋を出て、須藤様と張り紙のしてある隣の部屋に通される。 愛理が出て行った後、データを記録したメモリーカードなどがないか部屋の中を探すことにした。 14:00 あらかた探してみたが見つからない。それより、隣の八戸の部屋から何度もトイレの水を流す音が聞こえる。腹でも下したのか。私にとってはどうでもいい事だ。捜索の範囲を広げようと、私は部屋を出た。 14:10 ダイニングルームに入る。ぐるりと見回すと、壁にかかった絵画が目に止まる。愛理をモデルとしたヌード画だ。まったくもって趣味が悪い。私はその絵を避けるようにダイニングの捜索を始めた。 14:15 キッチンを確認。冷蔵庫は酒と飲み物、冷凍庫は氷だけ。食器棚は……ティーカップにワイングラス……あとは特に気になるものはない……。 その時、ダイニングの扉が開いて誰かが入って来た。八戸だ。 私は慌てて食器棚の扉を閉めた。怪しまれないようにフォローしなければと思うが、咄嗟のことに何と言っていいのかわからない。 「砂糖はどこかなと思いまして。コーヒーを飲もうと思ったんですよ」 言った後に気づいたが、私はコーヒーに砂糖は入れない。変なことを言ってしまったなと思いながら、ダイニングを逃げるように後にした。 14:20 玄関に行くと、左手に持ったペンを器用にクルクルと回しながら、手帳片手に考え事をしている男がいた。男は私に気づくと、不敵な笑みを浮かべて話しかけてきた。 「やぁどうも。わたくし、本夢写楽と申します。以後お見知りおきを」 こいつが写楽。飄々とした、つかみどころのない奴というのが第一印象。 「ところでこの靴、あなたの靴ですよね」彼はそう言いながら私の靴を持ち上げた。私が肯定する間もなく、彼は靴の匂いを嗅ぎ始める。呆気にとられる私を尻目に「ふむ、この匂いは、良く歩き回る職業に就く人物特有の汗の臭みがある……ふんふん、くんくん……よし!わかった!じっちゃんの名に懸けて推理しよう!あなた、須藤さんですよね。そして職業は外回りをよくされる警察のお仕事をされているのでしょう!いやいや、そんなに驚かないでいただきたい。名探偵にしてみればこれしきの推理はたやすいことです。ところで……」 「いや、申し訳ない。用事を思い出したので、これで失礼する」 私は無理矢理話をさえぎって自分の部屋へと向かった。警察官をやっていると、ああいう輩にはよく遭遇する。あの口ぶり、犯罪者によく見られる狡猾な目。奇抜な言動で相手を驚かせ、自分がイニシアチブを取っていると思い込んだ後、重大な局面でポカをやらかして自滅するタイプだ。そんなことを考えながら二階への階段を上った。 14:35 部屋のドアがノックされ、またもや見知らぬ男が顔を出した。和渡と名乗った彼は、あの写楽の付き添いで来たらしい。写楽の知り合いということで少し警戒したが、どうやら本当にただ挨拶に来ただけのようだ。 しばらく雑談していると、私の体格を見てとったからか、「野球か何かスポーツをされてましたか」と聞いてきた。野球か何か、ではない。私は青春時代の全てを甲子園に注いできた根っからの野球少年である。運動不足に野球でもしようかと思っているとのことだったので、ピッチングフォームやバッティングフォームなどを彼に教えこんでやった。 14:55 和渡にフォーム指南をしていると愛理がやってきて、みんなでお茶にしましょうというので、和渡と連れ立ってダイニングへ向かった。 15:00 ダイニングに入ると、既に八戸と写楽の姿があった。 愛理がお茶を淹れようとするのを写楽が遮る。お茶汲みは彼の仕事だと和渡を指さした。和渡はやれやれといった様子で「まぁ、一番の部外者は私ですから。紅茶でよろしいですね」と言ってキッチンへ向かった。 6人掛けのダイニングテーブル。愛理がキッチン側の端に座った。私は何となく愛理の前の席へ座る。八戸は私の隣に座った。写楽はウロウロとダイニングテーブルの周りを歩いている。 しばらくしてキッチンからお湯が沸く音がした。続いて和渡の声がする。「写楽、お前はコーヒーだよな」その呼びかけに、写楽は「いや、今日は紅茶をもらおうかな」と答えた。キッチンから和渡の不満の声が聞こえる。「何だよ、いつもはコーヒーじゃないか。もう淹れちゃったよ、まったく」 和渡が5人分のティーカップを乗せたトレイをダイニングテーブルへと運んできた。 「しょうがないからコーヒーは僕がもらうよ」和渡が、一つだけコーヒーの入ったカップを取ろうとする。 私は紅茶よりコーヒーのほうが飲み慣れているため、 「ああ、できれば私はコーヒーが良いな。コーヒーいただくよ」 と、コーヒーを手に取ってそのまま一口啜った。 八戸は紅茶を取り、まず愛理の前に置いた。「ありがとう」と言いながら、愛理も紅茶に口を付ける。八戸も残りのカップからひとつ取って、紅茶を飲んだ。 「おい、写楽、ここに置いておくぞ」 和渡はそう言って空いている席にカップを置く。そして、最後に残った一つを手に取ると、八戸の隣に座って紅茶を一口啜った。 しばらくの談笑の後、愛理のスマートフォンから着信音が聞こえた。彼女はポシェットからスマートフォンを取り出し、右手でそれを操作しながら、軽く笑みをこぼしている。どうやらメールのようだ。彼女はスマートフォンを操作しながら紅茶の残りを飲み干した。 写楽はあいも変わらず席にも付かず、紅茶にも口を付けずにウロウロとその辺を歩いている。やれやれ、本当におかしな奴だ。私も残りのコーヒーを飲み干した、その刹那。 うめき声と共に愛理がテーブルの上に突っ伏し動かなくなった……。 →プロローグへ

あなたの目的

青酸カリを仕込んだ犯人を特定する

ロールプレイのヒント

SMの性癖があって、愛理からそれをネタに脅迫され、警察情報をリークしている事は隠しましょう。公にすると、あなたに嫌疑がかかる恐れがあります。

須藤の所持品

A・「ヒットタイド」と書かれたカード B・愛理からの脅迫状。今後も警察情報をリークしないと秘密を暴露するといった内容。

須藤の記憶

「百舌 芽愛里(もず めあり)」を知っている 百舌芽愛里の死因が決め手となり、容疑者が無罪となった事件があった。カルテが偽装されているのではないかという嫌疑のかかった事件であった。

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