名探偵本夢写楽

※以下はあなただけの秘密です。 ゲーム中に他のプレイヤーに知られないようにしてください。

須藤怜人の秘密

情報をリークしないと、アナタの秘密……喋っちゃうわよ。 亜土愛理からの何枚目かの脅迫状を受け取った私は、自分の惨めさに腹が立った。 SMが私の性癖だ。 警察官である私――しかも、反社会的組織を取り締まる組織犯罪対策本部、通称組対に所属する捜査員である私は、この性癖が公になっては困るのだ。 性風俗店の元締めは反社会的組織であり、都内の店、全てに絡んでいる。私も向こうもお互いに顔見知りである。だから、鬱積した思いを解放するために公休日には地方へと赴く事が多い。 様々な伝手を駆使し、「ヒットタイド」という店を見つけた。会員カードは単純に店名が書いてあるだけで、一見何のカードかはわからない。それに、地方にある小さな店故に反社会的組織の息もかかっておらず、秘密も守られるという優良店で、安心して遊ぶことができた。 亜土愛理に出会うまでは。 彼女とのプレイを楽しんだ数日後、私の携帯に動画と画像が送られてきた。差出人と内容は言わずもがなである。私は彼女に完全に支配された。 ガサ入れなどの反社会的組織絡みの情報は金になる。私は彼女に求められるがまま、情報をリークし続けていた。どうにかしなければと思い悩んでいた時に、今回の脅迫状だ。 しかし、今回ばかりは都合が悪い。この情報を漏らしてしまうと私、いや、警察全体が不利益を被ることは必至の情報だ。 さすがにこの情報は渡せない。だが、渡せないと言って引き下がってくれるオンナでもない。どうするか……、様々な考えが頭をよぎり、体を締め付けていく。ええい、縛られるのは縄だけでいい!この呪縛から解放されるためにもデータを奪いそして……。 亜土愛理を殺す……。 データを奪っただけでは彼女は引き下がらないだろう。いっその事データと共に彼女も闇に葬り去る……。ちょうど今日、彼女から、大切な人と会うので立会人になって欲しい、ついでに情報を渡せと依頼されていたところだ。殺すなら今……。心を決めた私はタクシーに飛び乗った。

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